突っ通した峠の数は11個

ちょっと薄暗い林道から、いきなり空が広がりました。眼前にはそれまでの鬱々とした道ではなく、広々と、しかも明るい道が続いています。「あっ、やっぱりここだよ!」と思い出しました。

昭和58年(1983年)の初日の出は、東秩父の粥仁田峠に遠征しました。古いアルバムにその時の写真が残っています。当時はバリバリの学生時代、大学のサイクリングクラブの4人で行きました。東武東上線の小川町の駅に大晦日の終電で集合し、ちょっとだけ仮眠をとってから、暗い山道を峠に向けて走ったんでしょう。その頃は、温暖化の進んだ今よりも確実に寒かったはず、そして真っ暗な道を懐中電灯の暗い光でよく上ったもんだと感心します。どんな道を走ったかなんて、まして粥仁田峠なんてどんな所だったか全く覚えていません。アルバムの写真を見るに、草地の斜面、初日の出を見るというくらいだから東側が開けていてという感じで写っています。そんな峠だったけかな・・・。今回実際に粥仁田峠に到着したら、いわゆる峠、鬱蒼とした樹々に覆われた、こっちの世界とあっちの世界を繫ぐ、いわゆる峠らしい場所でした。熊に注意なんて看板もあったりして。こんな所に、初日の出を見にきたのかよ・・・。あの時は仲間のプランに乗ってきたので、そこがどんな場所かは知らずに付いて来たのです。ホントここだったのかな・・・。

来週は、秩父に遠征する予定があるので、その前に一度足慣らしで走っとかなきゃという事になりました。公休の本日、足慣らしなら、そりゃやっぱりあそこだろうと、いつもの刈場坂峠に行く事にしました。前回の正丸峠は、輪行で西吾野駅スタートにしましたが、今回は、スタンダードな正丸駅スタートであります。刈場坂峠から先は、グリーンラインを白石峠に行って、そこから定峰峠へ、ちょっと下ったあたりから旧定峰峠へ抜けて、そこから粥仁田峠へというプランとしました。粥仁田峠の後は・・・、まあ行ってから次を考えようといつものように適当な塩梅でスタートしました。
実際に走ってみたら、定峰峠までは予定通り進むことができましたが、定峰峠の秩父側への下りが通行止めとなっており、一抹の不安を抱えて、旧定峰峠に向けて行こうとしたら、なんと工事中で通行止め、仕方ないから一旦峠を下ってから、改めて粥仁田峠に上るというちょっとダルいプランに変更。でもまあ、ダルいのもちょっとだろうと想像していたけど、これが本格的なダルさ。超絶だり〜って声にならない叫びと共になんとか粥仁田峠に到着しました。そして峠で思ったのが先に書いた通りの内容です。

粥仁田峠からは、ちょっと足を伸ばすと、秩父高原牧場があります。そっちに向かって走ることにしたのですが、そこで暗い林道から飛び出たところが冒頭の画像です。そこは見覚えがある景色。確かに東側がバーンと開けており、初日の出にはお誂え向きな場所であります。あの時のプランナーはここを最初からイメージしていて、ついでに粥仁田峠に行くというプランとしていたんでしょう。昔の記憶がうっすらとでも何とか繋がってちょっと嬉しかったです。(2021年10月15日 走行)

いつも通りの行き当たりばったりのコースはこちらです。

通り抜けた峠は11(「超えた」じゃないよ)
①虚空蔵峠 → ②刈場坂峠 →③大野峠 →④高篠峠 →⑤白石峠 →⑥定峰峠 →⑦粥仁田峠 →⑧二本木峠 →⑨茱萸の木峠→⑩釜伏峠 →11塞神峠

今回のスタートは正丸駅。今回と書いたけど輪行はだいたい正丸駅(笑)
この駅は昔から変わりませんね〜。

駅前の売店もそのままですが、残念ながら平日はお休みのようです。

ちゃんとしたサイクリングには、やっぱりSEMAS118。
しかし、輪行で組み立てながら思ったのは其処此処が草臥れてるなぁってこと。最近ちゃんと整備してないしね。

正丸トンネルの手前からいきなりの上りです。
しかし、そこは勝手知ったるという峠道。空がいきなり広がるここまでは休まずに走って来れました。

気持ちが入りすぎて、景色に紗がかかってるように見えてきました。
これは、汗掻いた綿のシャツから立ち上がった湯気で、カメラのフィルターが曇ったから(笑)

【①虚空蔵峠】に到着。草が刈り取られていて、峠は広々としていました。

第1の目的地、刈場坂峠まではあとちょっと。

【②刈場坂峠】に到着。
818mですよ。意外と雲が立ち込めていて視界は狭い。

顔振峠方面のグリーンラインは、一応通れるようです。

【③大野峠】では、丸山方面に行く道が通行止となっていました。
今日はそっちに行かないからセーフ。

【④高篠峠】を経て【⑤白石峠】に到着。
週末はロードバイカーで賑わう白石峠も今回は私を含めて3台の自転車だけ。あっ、2台はバイクか(笑)

【⑥定峰峠】を通過。
峠の茶屋は店開きの準備中。今日も寄ってくほど腹減ってないな。

定峰峠から秩父側に下りる道も通行止め。色々と爪痕残ってますな。
さて、ここからはあまり縁のなかったエリアですな。レッツゴ〜!

定峰峠から寄居側にちょっと下ったところ。旧定峰峠へ向かう林道が工事中でクローズ。む〜ん。

しかたね〜。里まで下って改めて上り返すルートにするか・・・。
しかし、里までのダウンヒル。本来だったら楽しいひと時、ずっとずっと続いて欲しいはずなのに、今回ばっかりはそろそろ終わんねーかと思いながら下る微妙なキモチ。

思っていたより下っちゃった後で、出て来た上り返しの入り口。
えっ!マジか。この坂上るの・・・。

ぐいぐい続くよ・・・。

ぐいぐい行く道でも、人は住んでるのであります。

昔から「1日1上り」と決めて来たので、一旦下っちゃうと体とキモチが弛緩しちゃうんだよね〜。

集落を抜けて牧場エリアに入り、草っ原から鬱蒼とした木々の下を抜けて、【⑦粥仁田峠】に到着。

どうみても、考えても、ここで初日の出はないでしょ(笑)
そういえば上りの途中、牧場エリアに入った後、森の中を比較的大きな黒い動物がザザザって走り去って行ったのを見て顔面蒼白! あれは牛じゃないし、もちろん馬じゃない。だからといってクマにしては足が長いしな・・・。大きなガラガラドンかも。

粥仁田峠から秩父高原牧場の方に進むことにしました。
いきなり青空が広がったのを見て、冒頭の通りここで初日の出を見たんだと思い出しました。

この東屋はあったかなぁ。でもこの辺りで、ホエブス焚いてお雑煮を食べたんだ。

38年前の私であります。
冬なので、ニッカー姿、秋から冬の正装ですね。

高原牧場は、それより高いところがないので空が広くてキモチ良いです。
天空のポピーというのもこの近くらしいですが、今年は中止、早々に来年に向けて全て刈っちゃったそうです。来年楽しみにしましょう。

アイスがあれば大体試すのよ。アイス・ラブ!

後ビン(笑)

秩父高原牧場を北上して、【⑧二本木峠】に到着。

左は上り、右は下り、うーんどっちに進もうかな・・・。
二つの道のどちらかを選ぶ時には迷わず、困難な道を選べ by星一徹

右の下りを選んで、出口に一徹がいていきなり殴られたら嫌なので、左の上りを選びました(笑)
二本木峠の次に、【⑨茱萸の木峠】が、あったはずなのに、通り抜けてしまった模様。
ちなみに、「ぐみのきとうげ」と呼ぶようです。


茱萸の木峠の先で見た、再生可能エネルギーの太陽光パネル群。ここは確か牧場だったような・・・。

再生可能エネルギーというのは、「太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギー」の事と理解してますが、そのエネルギーを変換する設備自体が、「常に」という事を満足できるのかという点がギモンです。

【⑩釜伏峠】に到着。

峠をぐるりと見まわした時、こんなところで、今更思い出すなよと思うけど、ここ来たことあるよ。
東武鉄道が主催した七峰縦走ハイキング大会でこの辺り歩いたんだった。1991年だから30年前(笑)

登ったり下ったり40km。6:23にスタートして、ゴールは15:09。よく飽きずに歩いたな〜。

釜伏峠で、寄居側に下ろうかと思ってたけど、あの道は歩いたので、さらに北に向かおうと(笑)
なかなか、下れませんね。

日本水(やまとみず)は、名水100選となってます。しかし、800m歩くのは面倒なのでパス。

そろそろ妥協点を探り始めた頃に、【11 塞神峠】に到着。
撮り方なんだろうけど、今日のX10は白いところが飛んじゃうね。

塞神峠で、長瀞八景という看板を発見。長瀞という名前を見て、そうだ長瀞側に下ろうと妥協点を見つける事ができました(笑)

長瀞側に下る途中で、菊水岩というのを見ました。
菊水というのは、楠木正成公の紋ですね。2016年に訪ねた回天の島で見ています。

横臥褶曲(オウガシュウキョク)・・・らしいです。

長瀞側に下りて来たので、行き先は西武秩父駅に決定。寄居側に下りたら輪行で帰ると乗り換えが面倒なので、一安心。残りは18km。だったら昼飯食って力を貯めましょう。道の駅皆野でランチタイム。

わらじって言うくらいだから、2枚あるのは分かるけど、1枚で十分どんぶり飯を食べる事できました(笑)

気だるい国道140号を走っていたら、道端にいきなり山羊が登場。草地で飼ってるのかね。
通り過ぎる時に、なぜか安いマトンを焼いた時の匂いが漂ってきたさ〜。山羊汁ってクサイって聞くからね。関係ないか(笑)

激しい上りよりダルかった国道140号をクリアして、西武秩父駅で大団円。

Laviewに乗れば、1時間しないで所沢。こりゃ便利だね。

この旅のお供は・・・ POWERED BY FUJI X-10

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突っ通した峠の数は11個” に対して10件のコメントがあります。

  1. TAKOぼん より:

    こんにちは
    輪行ツーリング 峠道 
    自転車してますね~~ 
    星一徹か~ そういえば 「重い こんだら」の「こんだら」って何? と かなり長い間わからずにいました。 根陀羅? 仏教用語か? 
    一度思い込んだら 抜け出せなくなるものってあります。 (わたしだけですか?) 
    戦艦ヤマト と 戦艦ダイワ と同形艦 だと思っていました。(小学生の頃ですが)

    峠の登り直しは きつすぎますね~ 
    いまは 昼飯食った時点で 帰り支度するのが当たり前になってきてますので まじ尊敬のまなざしで 見ています。
    くたびれて来た~ 人間も自転車も・・・ 適切にメンテナンスして 少しでも走れるようにしたいものです。
     

    1. taboom より:

      TAKOぼんさん こんばんは。

      久しぶりに、上って下りてをやりました。
      1日に何度も峠を上ると、峠に対する気持ちが薄れる感じがして、ツーリングに峠は一つと決めてます(笑)
      学生時代のランのように、昼飯はピークで、ピークから下って終わりというパターンが見についているので、食ったあとは上りたくないですね〜。

      >こんだら
      これ、学生時代にけっこう鉄板の話題でしたね(笑) 私は、何となく最初から「思い込んだら」と理解してましたが、「こんだら」って何だ?って聞いてから、変に意識するようになってしまいました。それより、「血を汗流せ涙をふくな」のところ、「血の汗・・・」だと思ってました。汗がまるで血、血尿があるから血汗もあるんじゃないか(笑)

  2. INTER8 より:

    こんにちは。
    奥武蔵の北側は日帰りでは厳しいので車載で年に一回行くか行かないか。でもイメージとして人が少ないように思いますので、また出かけたいです。定峰峠の茶屋は営業しているんですね。去年僕が行った時にはやっていなかったので、てっきり店をたたんだと思ってしまいました。
    SEMASパスハンター格好いいですね。自分では選ばない色ですが、こうして見ているとまったく違和感を感じません。そしてチェレステなロード女子と話しが合いそう。

    1. taboom より:

      INTER8さん こんばんは。

      そちらから奥武蔵は流石に無理でしょう。いや、山梨まで日帰りしちゃうほどの超人なら大丈夫かも(笑)
      こちら側は、人は少ないですね。それでも休日はローディーと呼ばれる人々は結構いるかな。

      定峰峠の茶屋さんはやってます。少なくとも今回はやってました。定峰峠は秩父に抜けられないので、尋ねる人も少なくて大変そうですけどね。
      この前、神奈川の林道は通行止めばっかとでかい口叩いてしまいましたが、奥武蔵も通行止めばっかでした(笑)

  3. 竹下(メッセンジャー) より:

    懐かしいです
    私は秩父鉄道の波久礼駅から西武秩父線正丸駅まで、全く逆のコースで走った事があります(78年)当時とほとんど変わってませんね
    輪行するためにJCAの会員になりましたが、当時は個人会員は、いずれクラブに入会するという約束で一年間の猶予期間のみ認められていました
    しかし会員証の提示を求められた事は一度もなかったので、失効しても普通に輪行してました
    もちろん手廻り品切符は購入してました

    1. taboom より:

      メッセンジャーさん こんばんは。

      お久しぶりでーす。お元気ですか?
      また、バカ話したいですね〜。

      ひゃ〜、偶然といえば偶然、それともあのコースは必然でしょうか。実は、今回の最後の妥協点で、ぼんやりと波久礼駅をイメージしてました。以前、波久礼駅で畳まなくても列車に自転車載せられるとポスターを見た覚えがあったので、話のネタに面白いかなと思ってました。長瀞に降りちゃったら、何だか走らなきゃって感じになって走りました。玉淀湖のあたりから、東武鉄道エリア(アウエー)って捉えているかもしれません。そう言った意味では、長瀞はホームだから走らなきゃと思ってるかも(笑)

      ところで、今年のペナントレース、ライオンズは散々でした。来年に期待します。ジャイアンツは監督継続でしょうか?

      1. 竹下(メッセンジャー) より:

        昨日の松坂大輔、私も泣きました
        普段は観ないライオンズ戦も、テレ玉で観てしまいました(引退試合は、勝ちで締めたかったでしょうが)
        Gは・・・だめですね(情けない)

        1. taboom より:

          メッセンジャーさん こんばんは。

          私もテレ玉で見ました(泣)
          しかし、試合はダラダラで全く締まりがありませんでした。
          でも、今年はもう終わり、来年に期待します。

  4. 六浦っ子 より:

    正丸!という駅があるんですね。山小屋風で、登るぞ〜!と気合いが入りそうな佇まいが萌えます。この間までは夏夏してましたが、ココんとこは寒いくらいの日があったり。お天気良かったんでしょうね。木漏れ日がきもち良さげであります。わらじ丼?これはすごいですね。どんぶりが小さく見えます。でもこういうガツン系!嫌いじゃないです。お土産?袋越しの車窓からの眺めが、下界に降りてきた!と感じさせます。特急電車で輪行とはゴージャスですね。Laviewは乗ったことないんで、コレもそそります(^^) きもちいいパスパンでしたね。

    1. taboom より:

      六浦っ子さん おはようございます。

      この正丸の駅舎の形は、私が中学生だったりした頃と変わってません。・・・たぶん。
      当時からかなりモダンだと思ってました。
      当日は天気が良かったから暑かったですね。半袖ですけどポロシャツ着てったら汗かいて重くなって邪魔になりました。さっさとTシャツで走れば良かった。
      わらじかつ、この辺りの名物だそうです。草鞋というだけあって薄いのですが、でかいです。1枚で十分なのにと思いますが、2枚ないと履けないからでしょうか。
      Laviewに乗るとあちらの世界からこちらの世界に引き戻してくれます。なんたって1時間ですからね。それが500円は安いと思います。

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