残念な革サドルをちょっと補修してみた

初めて手に入れた革サドル、ブルックスプロフェッショナル。
大学時代の先輩から譲ってもらったZUNOWに付いてました。自転車がZUNOWからSEMASに変わってもそのサドルをずっと愛用してきました。が、「ずっと」と言っても、何十年も自転車活動をしていなかったのでその間は手入れは全くしていません。そして自転車活動を再開した頃は、見事に体重が増えており、手入れをせずに無造作に使っていたから、とうとう後ろの鋲の近くに亀裂が入りました(泣) その後、別の革サドルを手に入れる機会があったので、これはもう思い出として取って置こうと棚にしまっていたのであります。が、ちょっと前、サドルの補修の話題が世の中(?)に出まわったのをきっかけに、ちょっと試してみたくなりました。

膠とかいて、「にかわ」と読みます。そんなの知ってて当たり前という向きもあると思いますが、私は読めませんでした。にかわは、「獣類の骨・皮・腱などを水で煮た液を乾かし、固めた物質。ゼラチンを主成分とし、透明または半透明で弾性に富み、主として物を接着させるに用いるもの」だそうです。(・・・と、詳しくはこのページ。)
ググって見るとヒットする一般的な用途としては、絵画の絵の具で使うらしい・・・。どう使うかわかりませんけど(笑) 
接着できるなら、革サドルの補修に使えるだろう、由来も一緒だしね、という事で、膠を取り寄せてチャレンジしてみました。

粒膠というのをAmazonさまより取り寄せました。

どうやって使うんだ? (Amazonの製品紹介から引用)
 ①粒膠を膠鍋に適量入れる。
 ②粒膠1に対し水10を入れ、一晩置く。
 ③膨潤した膠を木べらで丁寧にかき混ぜ、加熱する。
  (※沸騰させたり、焦がさないよう注意する。)
 ④粒々が無くなれば完成。

粒膠を水に戻したところ。
膠鍋なんて、無いから朝方食べたツナ缶でいいや。絵画に使う人のページで見たら、100ccの水に10gを溶かすと書いてあったけど、ちょっちょっと塗るだけだから量を減らそう。50ccに5gで行こう。そして、一晩を8時間としたら、量を半分にしたので4時間でいいや。・・・ホントか?

先入観なしで見たらちょっと美味そう。ツナ缶じゃなくてグラスに入れられてたらプルプルゼリーだって食べちゃうかも(笑)

そっと弱火で温めます。
膠を温めると恐ろしく臭いというイメージがあったけど、そんな事は全くありませんでした。部屋の中でもOK。

わざわざ木ベラを用意しなくても、割り箸ってもんがあるじゃんか。
弱火でかき回していくとブツブツが消えて溶けました。

溶けたら、しばらく放置して冷まします。

冷ました後で、テロテロになった膠を切れた革の部分に割り箸で塗り込みます。沁みる沁みる。

染み込んで固まったら、しばらくしてまた塗り塗りします。
でも、本格的に接合するためには裏当てが必要でしょう。この部分、裏側はクロワッサンがあるので何か貼るのはちょっと無理。

これ、固まってます。
一旦溶かした膠、しばらく置いておくと再び固まってます。煮こごり(笑) 改めて火を入れると溶けます。この固めたり溶かしたりが何度まで効くのかわかりませんけど(笑)

残った膠、その他のサドルで、鋲の穴が広がってちょっとヤバそうな奴には、革の切れっぱを突っ込んで、膠を流し込んだらいい塩梅に固まりました。

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残念な革サドルをちょっと補修してみた” に対して10件のコメントがあります。

  1. oryzasativa より:

    こんにちは

    日本画で膠を使いましたが、
    溶かしたやつを腐らせると猛烈にくさいです。

    1. taboom より:

      oryzasativaさん おはようございます。

      これが画材となるのが不思議です。
      この溶けた状態で、インクと混ぜたりするんでしょうかね?
      本物は臭いんでしょうね。ましてや腐らせたりしたら、たまんないですね(笑)

      1. oryzasativa より:

        岩絵の具をくっつける
        接着剤代わりなんですが、岩絵の具が異様に高額で、小さい作品しか作れませんでした。

        拾った石を砕いて自作にもチャレンジしましたが、無理でした。

        1. taboom より:

          oryzasativaさん こんばんは。

          岩絵具というのがあるんですね。
          そちらの方面は全くわかりませんが、絵画の世界もいろいろありますね。

          「そちらの世界は」と書きましたが、それ以外なら知ってるように聞こえますが、それは間違いです(笑)

  2. より:

    色々と大変勉強になりました。
    そもそもtaboomさんが今回接着にニカワを使おうと思うキッカケは何だったのでしょうか?

    1. taboom より:

      眞さん おはようございます。

      勉強だなんて・・・、そんなバカな(笑)
      ちょっと試して見た程度の、実験です。
      膠の利用は、以前見た自転車レストアのムック本がきっかけです。あちらは、ちゃんとカーボンで裏打ちしてました。

  3. TAKOぼん より:

    こんにちは
    ん~~ これでいいのかな って感じがしますよ~
    せっかく膠を作ったのでしたら 裏から 麻布なんかを当てて 膠で接着 二重三重くらいさせれば 傷の広がりは止まるかもしれません。 確証無しですが 膠自体に 引っ張りに耐える力はないとおもうので・・・ もしくは 山用の手縫いミシン用の糸で 傷を縫ってしまうってのは どうでしょうか。 フランケンシュタイン・サドルって どうでしょう。
    道具は rikoパパさんところに ありそうです。

    サドル 復活出来たらいいですね~ お散歩自転車くらいなら 問題ない気がします。
    (バキッっと 破断する音が どこかでしたような・・・)

    膠は もろ コラーゲンです。 余ったら 顔にぬっておくとよいでしょう(嘘です)

    1. taboom より:

      TAKOぼんさん おはようございます。

      あはははは、やっぱダメか(笑)
      最初に見た本では、ガバッと切れた奴に対して、カーボン裏打ちしてましたから、やっぱり繋ぎが必要ですね。だからと言って、フランケンスタイルはちょっとなあ。やるなら糸じゃなくて革紐で縛ってそれを膠で固定する方がいいかもしれないな〜。革紐で引くとちょっとカッコ良いかも(笑)
      まあ、このサドル、本格的に使う事は無いと思います。ご指摘のようにバキッと行く可能性も高いでしょうしね。でもそうなったらそうなったで話題として投げ込めるか(笑)

  4. rikoパパ より:

    おはようございます。
    ニカワを使うとはニワカには信じられませんでした(笑)。
    割れた陶器などを修繕する「金継ぎ」を彷彿とさせるやり方ですね。
    でも、クラックを埋めることは出来ても引っ張りにはどうかなと思います。
    一旦、同病いや銅鋲を外して、アッパーの裏側から革等をあてがって膠で固定し、再度銅鋲でクロワッサンに固定する。なんてのはどうでしょうか。
    まあ、大変な手間ですねー(汗)。 

    1. taboom より:

      rikoパパさん こんばんは。

      >ニカワを使うとはニワカには・・・
      うまい! 座布団2枚ですね。

      TAKOぼん師の言われる通り、何かで当て物貼り付けないと、ニワカ間違いニカワにはそこまで強く無いでしょうね。
      クロワッサン外してというのは、手間なのでそこまでやりません。・・・いや、やれませんが正しいか(笑)
      このサドルは使わずに記念品として残しておきます。

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