林道東俣線と碧い自転車

「taboomさんの自転車と同じ色だよ」
コーナーを曲がった先に現れた橋を見て、並走するN谷さんがそう言いました。
うわ、びっくりした! 確かにそれは私の自転車と同じ色だったのです。単純に同じ色じゃんという喜びと、橋にそもそもそんな色を塗るかよという気持ちであります。しかし、「そもそもそんな色・・・」というのであれば自転車だってそう。このSEMASは40年前の自転車でその時から塗り直しをしていないから、ずっと「そんな色」。当時のいわゆるランドナー的な自転車は、ワインレッドやダークグリーン、ブラウンなど渋めの色が好まれていたと思いますが、どうしてこんな軽々しい軽薄な色にしたのか? 実はそれはそれほどというか深い意味は全く無くて、当時お世話になっていたセオサイクル北習志野店の店長さんとこれでいいんじゃねという程度のノリで決めたんだったなあと(笑) 正確に言うと最初は、もっと濃い深みのある色、いわゆる当時のビアンキのチェレステブルーに似せたものでしたが、一夏の旅から戻った時に、チェンガード帯のフックが外れた事で、リコール(?)となって、その際に今の色に塗り直してもらったのであります。改めて見ると現行のビアンキのそれと同じようではありますが、当時のビアンキの色はこんな色じゃありませんでした。逆転してビアンキが私に追いついたって感じ・・・(+_+) \ バキッ! それなりに気に入っていた色ではありましたが、今回の旅で改めて好きになりました。
11月12日に、大井川の源流を目指して走ろうとmcpのshiokameさんからお誘いをいただきました。自転車で行ける大井川の再奥は二軒小屋ロッジです。私は山屋じゃないので詳しくは無いのですが、南アルプス登山の前進基地とでも言うのでしょうか。shiokameさんもついこの前、二軒小屋まで自転車で行ける事を発見して、どうせやるなら今のうちと一念発起して声をかけてくれたとの事です。今は停滞しているリニアの工事もそのうち動き出すでしょう。当日は休工日だったので、途中工事車両は何台も止まっていましたが、本格的に工事が行われるとのんびり自転車なんか乗ってられないかもしれません。そういった意味ではちょうど良いタイミングで行く事ができました。ありがたやありがたや。ちなみに、一般自家用車は二軒小屋の26km手前の沼平のゲートまでしか行けません。つまり沼平ゲートから二軒小屋までは管理車もしくは工事車以外は走らないという、我々からみれば正に自転車天国であります。わははははは。
参加メンバーはshiokameさんをリーダーに、M船さん、T部さん、N谷さんと私の5人のパーティーであります。11日の夕方に、沼平ゲートのある畑薙ダムの下流にある、赤石温泉白樺荘というロッジに前泊して、翌日のアタックに備えました。白樺荘は静岡市がやってるようで、リーズナブルでとても心地よいお宿でした。赤石温泉というくらいだから、温泉もあってこれまたお湯が抜群。ぬるめのお湯につかって眼前の山肌を降りてくる霧を眺めながらうつらうつらしてるといつの間にか時間が経ってました。そんなロッジですが、自転車あるなしにかかわらず泊まるのには良い場所です。機会があったらぜひどうぞ。そこに行くまで、すげ〜遠いけどね(笑)
(2023年11月12日 走行)
行って来いのコースだから、片道だけの履歴であります。
Googleマップで見るとこんな感じ。こっちの方が分かりやすいでしょう。
拡大するとダムの名前や発電所、橋の名前を追うことができます。林道名の東俣というのは、大井川が二軒小屋の先の田代ダムの先で東と西に分かれているからのようです。でも田代ダムは二軒小屋の先なのでまだ東俣に届いていないのにね。
これがベースキャンプの白樺荘。
山の中だからもっと山々しい様相を想像していたけど(笑)

沼平ゲート手前の駐車場にトランポを置いて、そこから走り出しました。
さあ、ゲートイン!

しばらく畑薙ダムの湖畔を進みます。
イチョウの落ち葉が綺麗です。

畑薙大吊橋。
吊り橋みたら渡らなきゃ。林道は向こう側を通っています。

今回は新兵器を導入しました。Garmin Edge Explore2であります。
いろいろな人にガーミンいいよ〜って言われたもんで、つい。
しかし、使い方がよくわからんままで来ちゃったので、結局行きのログは取れてませんでした(泣)

トンネルも出てきます。これは小さいトンネルだけど、上に高さチェックのワイヤーが垂れてました。工事車両は結構でかいからなぁ。

普通、橋って言ったらこんなカラーリングが一般的でしょう(笑)

行って来いだから皆さん比較的軽装です。

ポイント・ポイントではちゃんと休憩。
こんな時は、「あ〜、どっこいしょ」って座っちゃうよね(笑)

中ノ宿吊り橋です。
吊り橋はさっき渡ったから今回は入り口だけで(笑)

ダートと舗装が交互に出てきます。
しかし、ゴロタ石があるようなダートじゃないので細いタイヤでも大丈夫(たぶん)

粛々と上っていきます。

進行方向から自転車が1台下ってきました。先行して走っていた私は軽く挨拶して見過ごしたのですが、後ろの面々は彼の前輪にすぐ気がつきました。パンクしていたようです。上りの途中でパンクしたかで撤退を余儀なくされた模様。ちょっと離れていたので詳細は確認できませんでしたが、「じゃ、さよなら」の言葉と共にパンクした前輪のままガタガタと下って行きました。山に行くならチューブくらい持っていかないとねぇ。

おっ! 自分のタイヤサイズだけじゃなくて、一通りのサイズのチューブ持ってけば、ぼろ儲け人助けができるかも。
赤石ダムまで来ました。

ご存知の通りダムの堰堤は大体高いところにあるのでそこまでガッと上ります。ひ〜。

振り返ると、さっき走ってきた道が見えます。

山の中のトンネルには電灯はありません。でも、隣には発電所があるんだけど(笑)
ちゃんと灯火も装備しとかなきゃね。

沼平のゲートと比べても紅葉はちょっと濃くなっています。

黄色いウインドブレーカー氏が下ってきました。
彼は、ちゃんと二軒小屋までたどり着いたようです。

ちょっと傾斜が急になってくると舗装が出てくるから有難いです。

そして、粛々と進む。

椹島ロッヂとの分岐のところに、放置自転車発見!
いやいや、これは登山のアプローチとして自転車を使ったと見るのが正しいでしょう。

椹島ロッヂへは一旦下らないといけないので、立ち寄りを私が強く反対しました!
この紫の実がなる木は、なんだっけ?
同行した皆々はご存知でしたが私には全くわかりませんでした。教えてもらったけど失念。

んで、これが冒頭の橋であります。

並べて見ました。ね、一緒でしょ。

千枚大吊橋は自転車でも渡っていけそう。

木賊堰堤です。ここで取水した水を赤石ダムの発電所でつかうとか。
しかし、水の色がだんだんSEMASの色になってきたような。

木賊といえば我々にとっては木賊峠。
「麓で言えなかった言葉をここまでもってきた」ってフレーズありませんでしたっけ(笑)
ガーミンには予め作成したコースを入れておいたのですが、走ってる所やこれからの傾斜具合を示してくれるので、頑張りどころ(というか諦めて押す?)が解って助かります。やっぱり面白いね〜。

この橋は、秘密プラントに通じるものです。

秘密プラントとは、木立の中に立つ蒸溜所であります。
標高1200mの高地で熟成されるウイスキーはどんな味がするんでしょう。

この会社が管理してる森林エリアはこんな範囲であります。

JYUZENかと思った(笑)
ここまでくれば、残りは6000mくらい。
ガーミン様が教えてくれました。

最深部までこのように道は整備されています。


そして、ゴール!
二軒小屋ロッジは左手の上にありました。

ここで、お宿で作ってくれたおにぎり食べましょう。
橋の先のゲートは閉まっています。これ以上、自転車は進む事ができません。
大井川の自転車最深部ですね。

でも、Google マップのストリートビューだとゲートの先まで進めます。
興味があれば見てください。頭の上にカメラ付けて歩いて記録したようです。リラックマが写ってます(笑)
このトロココンブのようなものは、根っこの無い植物だそうです。
ひっついているだけで、寄生してる訳じゃ無いらしいんだな。

流れ落ちる水。この水はすでにSEMASカラーになってんじゃん!
そうなるとこれに出会うためにここまでやって来たような気持ちになりますね。

SEMASで来て良かったな〜とホント思いますわ。
感謝のうちに、さあ戻りましょ。
同じ道でも見る方向によって景色が違います。
この吊り橋も上ってくる時は気づきませんでした。

針葉樹の落葉の道。

この道のりは自然だけじゃ無くて、工事のコーンや機器そして車両も止まっています

このあたり、パラパラと雨が降ってきました。ヤバイヤバイ。
赤石ダムが見えてきました。

日陰はさむいよ〜。ダムの向こうの山の上の方には雪が見えますな。
日陰でちょっと暗くても赤い葉っぱは目立ちます。




風も吹きだしてきて寒い寒い。
大井川が手がとどく所まで下りてきたら、畑薙ダムはもうすぐそこ。

沼平ゲートまで無事に戻ってきました。

概ね、上り2.5時間、下り1.5時間の旅でした。
この旅のお供は・・・ POWERED BY PENTAX MX-1
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こんにちは。
私も、毎年この方のブログを見て、いつか紅葉の時期に行きたいなと思っていました。
http://mantramisaki.blog72.fc2.com/page-2.html
でも、東京からだとサイクリングよりもアプローチの方が大変そうです。
貴兄のように前泊するならOKですかね。
大学1年の時に光岳から赤石まで縦走したとき、大きなキスリングを背負って畑薙大吊橋から入山した記憶です。
rikoパパさん こんばんは。
山屋だった人は、この二軒小屋やら畑薙ダムにはすぐ反応しますね(笑)
みなさんこの辺りに思い出があるようで、私にとっては羨ましい限りです。
生憎の天気ではありましたが、とても心に残るツーリングが出来ました。
ご紹介いただいた参照サイトの方とは違って、ちょうど休工日だったからか、止められる事もなかったです。通過時間が制限されているとスケジュール的にキツイかもしれません。
いずれにしろ、白樺荘に一泊がちょうど良いと思います。白樺荘までのアプローチ自体結構手こずると思いますが(笑)
私のやや無茶ともいえる企画にお付き合いいただき、ありがとうございました。やはり山と谷のスケールが大きかったですね。ディープサウスのサイクリングを堪能できました。紅葉はちょっと遅かったかもしれません。例年通り11月初め頃がよかったようです。帰途、赤石ダムのところで見えた、頂上付近の沢筋が白くなっていた山は笊ヶ岳(ざるがたけ・2629m)でしょう。紫の実はムラサキシキブ、とろろ昆布のようなのはサルオガセだと思います。
shiokameさん おはようございます。
今回はとても良い機会をありがとうございました。あれだけの企画であれば勢いでやらないとダメですね。いずれにしろ良い旅でした。
深い谷だからか日が出てたとしても方向が変わるだけで暖かくなったり暗くなったり。これは秋ならではのツーリングですね。
途中雨がパラパラ来た時はちょっと焦りましたが実害も無く良かったです。
ムラサキシキブ、サルオガセ、あの時聞いていたのにちゃんと記憶してませんでした。これは遺憾ですね(笑)
こんばんは
なかなか刺激的というか
ダルそうな道ですが
仲間と行けばまた楽しですね
自転車の色ですが
橋といい 水といい バッチリですね。
今は入れないかもですが ユーシンブルーも似た色だった気が。
石灰の粒子が混じるとこんな色になる、と何かで読みました。
oryzasativaさん おはようございます。
いや、今回の坂はそこまでダルくなかったです。良い塩梅に上ったり下ったりがあったので行けました。もちろん仲間がいたというのもありますけどね。
ダルいといえば、現地までの行き帰りですよ(笑) 井川までのアプローチはナメてましたが、こちらの方が大変でした。
あのブルーは、石灰の影響なんでしょうか、ユーシンブルーも見にいっときゃ良かったなあと改めて思います。
山深さを感じさせるいい雰囲気の道ですね。
しかしおっしゃるように、起点までのアプローチがなかなかにしびれます。
とは言え、紅葉もいい頃合いだったようで、引き換えても余りある非日常感溢れるツーリングを楽しまれたようですね。
羨ましい!
4Catsさん おはようございます。
これマジに山深いです。直線距離だと山梨の実家からすぐそこの距離にあるのに実際行くとなると果てしないです(笑)
そういった意味では行く価値はあると思いますが、準備という観点ではなかなかハードル高いです。今回はshiokameさんの企画に負んぶに抱っこだったので私としては楽チンでしたけど。
前進基地に一泊してというのが安心して行けるかなと思います。
こんにちは
調べたらユーシンの大崩落は
復旧して入れるようになったみたいです
前は
沢登りや昆虫採集のアプローチ使用自転車のフリして
行けましたが 今は自転車ダメかも
oryzasativaさん こんにちは。
おー、ユーシン!
次はユーシンにチャレンジですね。
ょっと今回の感動のほとぼりが冷めてからですけど(笑)
いつも毎回taboonさんのブログを見るたびに自分も自転車で行ったような気分になります。それと私も行ってみたい気分になります。でも、今となっては私のSEMASは人に譲ったので無理な話ですが・・・。
次回のブログも楽しみにしています。
ところで、セオサイクル北習志野の店長は当時誰でしたか?私の時は高良さんでした。ご存じの通りマイクロハリーを買って、毎日のように高良さんの指導の下、改造に励みました。機会があれば又乗らせて下さいね。
のり999さん こんにちは。
いや〜先輩、自転車じゃないですよ。昔の自転車じゃ無くても新しく走り出す事ができます。是非ともレッツチャレンジ!
セオサイクル北習志野店、お世話になりましたね〜。部会が終わったあとにお店に寄って、それからダニエルでコーヒー1杯でクダ巻いて(笑)
当時は北習志野店だったと思っていましたが、改めてググってみると習志野台店だったようですね。北習志野駅の近くに北習志野店があります。
最初に連れてってもらった頃は高良さんでしたが、このSEMASを作った頃は榊さんが店長でした。いずれにしろお世話になりました。元気かな〜?
いい感じの林道ですね。井川線の更に上流にあたるあたりでしょうか? ちしは多分行ったことないと思います。熊に食われなくてよかったですね。
六浦っ子さん おはようございます。
そうなんです良い感じです。上りも激しく無いのも良いですね(笑)
クマーが怖かったので、先頭行かないように心がけていたのですが、つい先頭にたっちゃってこれはまずいまずいと休憩しました。
N谷さんがクマスプレーを所持していたので安心ですねって話したけど、有効期限切れだったのでその点もスリルがありました。
こんにちは。
大井川上流域はGWに8氏と走りましたが、そこより遥かに上の流域サイクリングですね。
以前はここからさらに山梨県側にも抜けられたようですが、今やそれも幻のルートになったようで。
すでに紅葉シーズンから初冬のような景色に変わっているようですが、登山領域のような水の色やガレた感じが良いですね♪
前にも書いたかもしれませんが、ペンタMX-1、コンデジのに真鍮使った力作マニアカメラ!!
もっと売れても良かったんですけどね。ペンタはこの路線で進んで欲しいと思いましたが、リコーになってしまい、それも叶わずですね。
ぶとぼそさん おはようございます。
これ以上は遡れない (ことになっている) ので、最上流域となります。
昔はあまり制限なかったろうですから、南アルプススーパー林道まで行けたろうに、残念な事ですが、そもそも自転車で入る領域じゃない気もします。
この間の道はしっかりしてました。工事車両が入るからか走りやすかったです。帰って畑薙ダムまでの道の方が怪しいくらい(笑)
今回の出会いはおっしゃる通り「水」ですね。石灰が入っているからあのような色になるらしいですが、美しかったです。
MX-1をたまに持ち出しますが、私的になかなか良い色が出るので気に入ってます。重いしバランス悪いので持ち運びしにくいし細かいところにオイッ!(怒) というところも沢山あるんですけどね。売りもんくのように軍幹部と底面のペイントがハゲて真鍮地が出て貫禄ありますけど(笑) でもダメな奴ほど好きなんで、仕方ないです。