八丁峠 林道金山志賀坂線

1983年11月12日、今から38年前になりますが、私は一人で朝の西武秩父駅に降り立ちました。今も現役のSEMAS118を担いでです。駅前でSEMASを組み立てた後に、走り出したのは群馬の上野村方面に向かう国道299号。志賀坂峠から分岐する林道を目指してであります。1982年のニューサイクリング誌 「【林道あ・ら・かると】林道志賀坂・金山線」を読んだのがきっかけだったんでしょう。秋の紅葉を狙ってというより、当時はちょっと名の通った場所に行ってみたかったというのが正直なところかな(笑)

MCPの仲間である、shiokameさんから、八丁峠の林道が開通したらしいから行ってみようじゃないかとお誘いを受けて、MCPのT部さんとN谷さんと一緒に走りにいきました。この林道、令和元年の台風19号の影響でクローズしていたようです。八丁峠といっても正式な峠は稜線の上にあり、この林道のピークはその下を抜く八丁隧道というトンネルで超えています。そのトンネルを目指して、38年前と同じ、国道299号志賀坂峠からのアプローチとなりました。志賀坂峠もピークにはトンネルがありますが、そのトンネルの入り口はブルーシートで覆われており、一切合切通り抜けることは出来ないようになっていました。こちらは工事中ですね。道理で国道を行き交う車の数が少なくてとても走り心地良かった訳だ(笑)

38年振りの再訪は、明らかに記憶していた部分とそうで無い部分が繰り返しやってきて、目まぐるしい部分はありましたが、天候がとても穏やかで楽しいサイクリングができました。標高は1200mくらいまで上らされますが、斜面をクネクネ、クネクネと上っていく関係で、適度な斜度はとても優しくて、両神山を始め秩父の山並みを楽しみながら進むことができました。前の週に練習しておいたのが功をなしたかも(笑)

1983年当時の時間経過がメモとして残っていたので記録します。
 0802 西武秩父発 
 0826 小鹿坂峠 
 1000 坂本
 1030 志賀坂峠
 1140 八丁峠
 1305 中津川合流
 1350 三峰合流
 1412 三峰口駅
 1450 西武秩父着

八丁峠から中津川合流までにやけに時間が掛かってんな〜と思いましたが、改めて思い返すとあの時はニッチツ鉱山の細い谷筋を吹き抜ける風に舞う紅葉に立ち止まって見とれていた事を思い出しました。谷筋が一面の真っ黄色。
今回は紅葉を楽しむまではいきませんでしたが、過去の記憶を含めて忘れられない旅となりました。ちなみに、今回は途中の道の駅「両神温泉薬師の湯」をベースにする周回コースなので1983年当時に比べて距離は短いです。まあ、でもそれは歳相応というもんでしょう(笑)

(2021年10月23日 走行)

今回の走ったコースはこちら。

ちなみに、改めて調べたところ、林道金山志賀坂線は、「国道299号分岐~上落合橋」まで令和4年3月31日まで、通行止めとなっています。・・・オイッ!
自転車で通り抜ける事は出来ない訳じゃありませんが、行くとしてもオウンリスクでお願いします。

7:30集合という事なので、私は前の晩に道の駅に移動して車中泊しました。意外と寒くなくて助かりました。しかし、暗い中寝床を準備するのは結構大変だ(笑)

みなさん時間通りにやってきて、予定通り出発。空は抜けるような青!

国道299号は坂本の集落まではダラダラ上りが続きます。
車も少ないので、色々とおしゃべりしながら走れるから楽しいね。

坂本の集落を抜ける頃、前の方に何やら不穏なものが見えてきました。

ん? 通行止め。志賀坂峠の手前で曲がるから大丈夫。しかし、金山志賀坂林道も「全線通行止め」ってなってる・・・。
でも、役場に聞いたら開通したってたからへっちゃらさ(笑)

志賀坂峠のクネクネが始まりました。

高圧線の鉄塔のすぐ横を通過するというのはあまりないよね〜なんて話しながら通り過ぎます。

よく知らないけど、これって何万ボルトが掛かってるんだよね。

なーんて、呑気な事を考えながら走っていたら、再びとおせんぼの登場です。

でも、役場に聞いたら開通したってたからへっちゃらさ(笑)

えっちらおっちら上ってきたら、先ほど並行していた高圧線の上側に出ました。

静かな上りが続きます。

志賀坂峠に到着。ブルーシートは志賀坂トンネル入り口です。
結構、大きな工事なんだなとこの辺りで薄々気づき始める・・・。

工事のおじさんから、おいっ!そっちは行けないよ! と声を掛けられましたが、
「あ〜、どうもどうもご苦労様です、危ないと判断したら戻ります、テヘッ」って感じで通り抜けました。

まあ、なんかあったら戻る覚悟でゲートイン。
(・・・って、そろそろヤバイんじゃないかと思い始める)

でもさ、両神山の向こうの空が青かったんだよ。

途中で、shiokameさんにもらった豆餅も美味しかったしね。

ツーリングのお供はやっぱりあんこだね。

途中、甘いもの食べたり、空を見上げたりしながら進むのがサイクルツーリングの醍醐味ですね。

路面はこんな感じです。

落ち葉が積もってますが、その中にこぶし大の石が転がっているので注意が必要です。上りでも怖いけど、下りだったらと思うと・・・。

振り返る都度(というより休む都度?)今まで辿ってきた道が見えます。
坂を上るのは苦しいけど、これは唯一の楽しみでしょう。

頑張れ頑張れ!

道が、ドカッと落ちてるところが現れると、そこがピーク。

到着しました。
ところで、前回来た時に、この看板あったかな? 昭和60年に選定されたとあるから、当時は無かったろうな。

トンネルの手前は日陰になってるので、向こうに出てお昼を食べましょう。
さて、856mのトンネルに突入します。

出口は遥か彼方に見えるけど、途中は真っ暗。出口以外は、何も見えません。

当時の薄い記憶を辿ると、トンネルの前後に峠の名は無かったので、仕方なくトンネルの銘板の写真を撮ったんだった。

ラーンチタイム。しかし記録はありません。
今回持ち出したカメラは、久しぶりに出したものだったので使い勝手が悪いというか、起動が遅いのでイライラ。撮った写真はいつもより少なめ(笑)

で、ダダーンと下ってきて、トラ柄のとおせんぼがあったので反対側に出て記念撮影。
これ、明らかに通行止めになってんじゃん!

この先(写真では後ろ)に、両神山登山口があり、何台もの自動車やバイクが駐車してました。
あっ、ここが「上落合橋」か。なるほど、ここから志賀坂峠までが通行止めという訳だ。埼玉県のHP間違ってないじゃん。
・・・って間違ってたのはもしかしたら我々か・・・(+_+)\バキッ!

ニッチツ鉱山エリアに下りてきました。今だにこんなダンプがあの道を行き来してると考えるといい気になってダウンヒルなんて言ってらんない事がわかります。

この鉱山では、こんなのが産出するようですね。これは石灰?

ニッチツ鉱山を過ぎてからはトンネルが続出します。
なかなか味わい深いトンネルがありますよ。

そして最後、中津川林道に合流するところのトンネル・・・、こんなんなっちゃったんだね。
学生時代に抜けた当時は、こんな無粋なコンクリの補強は無かったよ。

ほ〜らね。ごっついの無いでしょ。
ただ、これは八丁峠から下ってきた時の写真ではなくて、翌年に信州から三国峠を超えて下りてきた時に撮ってもらったものです。

中津川に合流してから、次に雁坂からの道に合流し、秩父湖のループ橋を全開で下った後、気だるい道を抜けて、三峰口までやってきました。今回一番ダルい行程だったな〜。

三峰口の対岸にある贄川宿入り口。
ここからスタート地の、道の駅に北上します。ちなみに小さい峠越え、でも、まだ元気・・・かな(笑)

贄川宿入り口は、以前来た事があります。
なつかし〜、ここで休憩して、そして同行した4Catsさんはクマ鈴を実装したのでした。

2013年10月14日 秩父御岳山林道と秋の空

小さな峠を越えて、このモダンな建物が見えてきたら、道の駅はすぐそこ。

道の駅の、温泉で汗を流すのを楽しみにしていたけど、ちょうど前の日から改修工事に入っちゃった模様。ざんねーん。

この旅のお供は・・・ POWERED BY PENTAX MX-1

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八丁峠 林道金山志賀坂線” に対して12件のコメントがあります。

  1. shiokame より:

    taboomさん、今晩は。
    shiokame(四方津の亀)、いえ、今回のプランをたてた、K島です。
    志賀坂峠・八丁峠は好天に恵まれ、私が皆さんの足を少し引っ張ったくらいで、まずまず足もそろって快適なサイクリングでした。あらためてお礼を申し上げます。私が八丁峠を越えたのは1989年ですから、taboomさんの6年後ということになります。そのときの思いを感傷的な駄文にしたため、ニューサイ1990年5月号に発表したことを思い出します。taboomさんの1983年の、中津川出合の写真、貴重な映像ですね。
    私が今回の計画を立てた根拠は、この9月、小鹿野町のホームページで「金山志賀坂林道の工事が9月末日で完了し、10月1日から志賀坂峠~上落合橋開通」という情報を得たからです。ところが、現地に行ってみると、電柱は倒れているは、沢からのデブリはあるは、路肩の崩落はあるは・・・とてもじゃないけど一般車は通行不能の状態でしたね。志賀坂トンネルの工事はわかっていましたから、工事業者に「八丁峠も通行止めだよ」と言われたときに「小鹿野町のホームページで開通したってよ」と私が言ったのは、はったりでもなんでもなく本当のことなのでした。帰宅してからもう一度ホームページをみたら、みごとに開通が延期されているのにはびっくりです。何やってんだよ、というところです。ま、よくあることですかね。おかげで車も皆無、オートバイに1台出会ったくらいで、まったく我々の独占的な道だったことは幸いでした。

    1. taboom より:

      shiokameさん おはようございます。

      今回はコースのプランニング、事前調整など色々と有難うございました。
      車やバイクに追い立てられる事もなくのんびりとした峠路は楽チンだったし、前日まで降ってた雨のおかげか空気も澄んで気持ちよかったです。
      とても心に残る良い旅だったと思っています。これも過去の年賀状と一緒に宝物として取っておく事ができます。
      1990年5月号のニューサイ、その当時はすでにニューサイから離れていたので手元にありませんが、改めて拝見したいものです。
      また次のプランを楽しみにしてます。

  2. 寺内秀一 より:

    taboomさん、こんばんは!カンタロウです!
    八丁峠、よいコースですね~実は私、志賀坂峠は50回以上行っているホームグラウンドでして、林道金山志賀坂線、八丁峠も何度か行ってます(全てロードバイクの話です)景色も良いし二子山の下を通り土坂峠に抜ける林道西秩父線と共にお気に入りのコースです!
    23日は友人とランドナーで志賀坂手前の尾ノ内渓谷にサイドバックつけてキャンプツーリングに行ってました!ややニアミスでしたね(笑)
    今週のtaboomツアーは私用で参加できませんが、近々ぜひ参加したいです~

    1. taboom より:

      カンタロウさん おはようございます。

      志賀坂峠を50回! そりゃ凄いですね〜。あそこは、斜度や高度はともかく、秩父の駅からアプローチが遠くてちょっとアクセスしづらい・・・な〜んて言ってらんないですね。あの辺りは色々魅力的な林道がありますね。1983年当時はちょっとはカジって巡っていましたが、最近は全く縁がありませんでした。勿体無い事です。筑波なんて通ってないで秩父へ行けですかね(笑)
      ニアミスだったようで、確かにあのあたりはキャンプも良さそうです。国道沿いに良さそうな河原がいくつも出て来ました。ますます、秩父ですね。

  3. 六浦っ子 より:

    2019年の台風!やっぱ各界に波紋を及ぼしていますね。それでも林道が少しずつ通れようになってよかったよかった!ヤマ行くとゲートとか、通行止め看板とかに必ず?遭遇しますね。すまぬすまぬと思いながらも、自己責任で入らせていただいてます。あまりデカい声では言えませんが。これがあるからクルマやらバイクがいないということで、まあ嬉しいんですけどね。38年ぶりのコースだそうで、記憶を辿りながら漕いだんでしょう。お天気良さげなんで、快適そうです。続出するトンネル!ちょっとそそりますねー 熊鈴持参もわかる気がします。

    1. taboom より:

      六浦っ子さん おはようございます。

      台風の爪痕は各所に残ってますね。その後のコロナのお陰でさらに復旧が進まないというのもあるんじゃないかと思います。
      今回走ってみて改めてわかったのは、普通の道は、ちゃんと管理されていたんだなということです。誰も通らないと当然ながら道は荒れますね。
      しかしながら、不遜を承知で書いちゃうと、ツーリングとしてはとても楽しかったです。路面に多少注意しておけば良いだけだし、上りで自動車に追っ掛けられることもなく好きなライン(自主的九十九折り)が取れましたし(笑)ゆっくり景色を楽しみながら上れました。

  4. パスハンター より:

    志賀坂峠からの上りうんざりしませんでしたか八丁峠までの最後の1キロが上の曲がりくねった道が見えてげんなりしました。道の駅大滝温泉にデポって以前行きました。河っちさんが昔行ってた頃よりもニッチツ鉱山の風呂屋のガラスがだんだん投石被害で割られて居たのが残念でした。鉱山の郵便局の先の左側に怪しい素堀トンネル見たいのが有ったのが見えましたがあそこ気になりました。季節的に自分が行ったとき11月頃だったので秩父と三峰口の間の140号が朝凍結していました。両神温泉に向かう途中三峰口橋の電信柱の上に猿がいっぱい居て柿ノ木の柿を狙って食べているのが見えました。

    1. taboom より:

      パスハンターさん おはようございます。

      志賀坂峠の上りは、ダラダラしてましたね〜。上の方まで続くガードレール。林道の中もそうです。でも、のんびりヨタヨタ走れたので大丈夫でした。でもあれ、車に追い立てられながら上るのはやっぱりイヤですね。八丁峠の下りから鉱山エリアに入ると、38年前に比べて景色は変わっていたようです。せっかくの時間が止まったような光景が、廃れてしまうのは残念ですね。そのままそっとしておけば良いものをわざわざ壊すバカがいますからね。怪しいトンネル、怪しい分岐、色々ありましたね(笑)獣でいえば、今回みたのは、鹿だけだったかな。

  5. rikoパパ より:

    こんにちは。
    私もこのコースが好きで紅葉の季節に2~3回行ったことがあります。
    2年前の台風でクローズになっていたの知っていましたが、何とか走れるようですね。今回は紅葉にはまだちょっと早かったでしょうか。
    土曜日は天気良い様なので楽しみにしています♪
    何卒宜しくお願いします。   

    1. taboom より:

      rikoパパさん おはようございます。

      やっぱりこのコースのオススメは紅葉の時期ですね〜。
      今でも、38年前の光景が目に浮かびます。両神山側の日の当たる暖かかった紅葉もですが、中津川への細い谷筋の紅葉、風が恐ろしく吹いてとても寒いのに、つい立ち止まって見とれてしまうほどの、黄色い葉っぱの乱舞。今まで紅葉でこれ以上のココロを震わせる光景は見た事がありません。そう言った意味では今回は全く時期が違いました(笑)
      明日は天気大丈夫そうですね。筑波の紅葉に期待しましょう。よろしくお願いします。

  6. INTER8 より:

    こんにちは。
    八丁峠は自転車なら大丈夫そうですね。以前、反対周りで走ったことがあります。峠のトンネルを出て急に視界が開けて二子山方面が望めたのが印象的でした。
    中津川林道に合流するところのトンネルは、昔は凄い男気のある素掘りだったんですね。今は去勢させられた感じを受けます。

    1. taboom より:

      INTER8さん おはようございます。

      自転車で通り抜けるなら問題ないと思います。行政や工事する人には問題あるかもしれませんが、こちらとしてはですけどね(笑)以前、ぶとぼそさんと反対周りで走られてましたね。確かにトンネル抜けて二子山が現れるというのも感動的ですね。嶺方峠と同じ「トンネル効果」ですね。ちょっと羨ましいな(笑)
      ところで、話かわりますが、INTER8さんの走った経験に比べようもないですが、数少ない共通場所を考えると、だいたい反対側から回ってますね(笑)

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