休暇という名前の赤い自転車

自転車のメンテナンスで一番痛くて悲しいのは、ほつれたワイヤーを指に刺すことです。
切りっぱのインナーケーブルの端っこはほつれやすく、アウター通したり、キャップを嵌めたりする時に、ほつれた1本が暴れて指を刺す。その痛さはハンパなく、もっと言えば、指の先っちょだったり腹の方じゃなくて爪の間を狙われた際には、ホントに筆舌に尽くしがたい。考えただけで寒気がする。もう勘弁してください正直に話します私がやりましたと勝手に自白してしまうくらい。その他では、BBやカセット、いやそれより頻度が高いのはペダルを外す時に、死ぬほど力を入れてレンチを回してその勢いのまま地面をパンチしてしまう事。最近はそんなバカな力の掛け方はしなくなったけど、相変わらずワイヤー地獄は時たまやって来る。ほつれて居た段階で危険を認知してマークしておけば回避する事もできるけど、そうで無い場合もあったりします。酷いよ〜。

ところで、冒頭の自転車を買いました。
ちゃんとした(?)自転車を買うのは、通勤車のSW以来かな。これで私にもハイカラなスポーツバイクライフが訪れる・・・な訳ないか(笑)しかしながらこの自転車は、乗るために買った訳ではありません。床の間にかざる・・・(+_+) \ バキッ! 違います、これは、研究・練習用として手に入れました。私が幼少の頃から慣れ親しんだ自転車だったり、サイクリング車だったりはある程度いじる事は出来るものの、昨今の自転車は自分が知らない機構やパーツがあって、随分違うもんだなと薄々感じてました。もちろん、修行の一環としてそのような自転車を組み立てたり、修理する機会もあるものの、そこまで突っ込んで理解するチャンスはありません。だったら、自分専用の自転車で試そうじゃ無いかというのが動機であります。在庫限りの品で価格が随分安くなって居たというのもありましたしね。

ちょろっと庭で、手に入れた時の面影を残そうということで記念撮影を行いましたが、その後は、いきなりバラバラに解体してしまいました。その時に冒頭の悲劇が待ってました。まさかそんな事が起きるとは・・・。Vブレーキを外す為に、ブレーキを固定しているボルトをアーレンキーで回そうとしたら、ちょっと硬いな、ん、回るかな、回ったけど、ちょっと何か変。それでもグリグリと回して居たらポロリと台座ごと取れちゃった。「おえ”〜」そんな事あるんか! あるんです。これはちょっと前にジャンキーな自転車をいじっている時に遭遇して目が点になりました。アルミのフレームだから台座をねじ込んでいるんですな。台座だけ売って居る事が分かったし、ブレーキ本体も交換するから、まっ、いいかとその時はスルーしましたが、まさか一応製品として入荷した自転車の台座が取れちゃうなんて思いもよらないでしょう。仕方ないので、改めて台座をブレーキ本体ごとねじ込んで、ロックタイトを、そしてネジ側にCRCを流し込んで一晩置きました。そして、勢いよくボルトを回したら、ちゃんと緩んでくれました。あ〜よかったよ。これが、販売整備をしてる時に何かの理由でブレーキ外す事になった時に起きたと考えたら・・・1回でもそんな事態に遭遇しておいて良かったわ。しかし、悲劇はそれじゃなくて、その前に起きてます。冒頭のイタイ話、Vブレーキからワイヤを外して、ゴムブーツをずらそうと滑らせた時に指先に激痛が走りました。「痛てぇ〜」 何が起こったんだと最初はわからなかったのは、その時は、ワイヤーの末端にはまだキャップがついていたからです。慌てて逆方向にゴムブーツをずらしてみたら、また別の場所に激痛が!「痛てぇ〜(泣)」 おいおい俺は一体何やってんだ・・・。落ち着いてその場所を見ると、ワイヤーの途中がササクレて居たというか、ゴムブーツで隠されるように、ワイヤーが1本飛び出てました。まさか末端じゃなくて途中にそんな罠があったとは。メーカーでのチェックというか組み立はどうやってんだ、おいっ!と怒ってみても仕方なし。組み立てた結果がここにある訳だし。それを踏まえてこれからは販売前の組み立て時にはそれを含めてちゃんとチェックする事にするか。これもまた自分で試す事ができた効果としましょ。そうじゃなきゃ、痛い気持ちをどこに昇華させて良いかわからんからね(笑) 

これは、いわゆるクロスバイクというものですね。
NESTOというブランドで、VAGANZEという車種です。

ネストと聞くと、「入れ子」が頭に浮かびますが、あれはNESTでこれはNESTO。
チェストォーと語感は一緒ですね。違うか(笑)

ハンドル周り。このハンドルを支えている奴、エレガントじゃ無いですよね。
でも、これがいまや主流なんでしょう。ハンドル咥えているいる部分はねじ止めなので、ブレーキレバーやらグリップやらを外さなくても、ハンドル交換できるところが合理的。でも、世の中、合理的の追求ばっかしてるとギスギスするよね。

ヘッド周りも、ステムと一体化してる関係で、フォーク抜き輪行は難しいんだろうーな。だから輪行袋でかいんだ。
でもやってやれない訳じゃ無い事は今回わかった。やる意味はそんなに無いんだろうけど(笑)

フロントギヤは3枚。分解してわかったけど、チェンリングとクランクは、金属の塊(笑) これだけですげー重い。インデックスで3段をコントロールするのは何だか難しいんだよな。

リアは7段。カセット方式。薄っぺらいギヤ歯で、錆びやすい? 
よく持ち込まれる自転車のギヤが一部分だけ錆びてる事があるしなぁ。
流石にRDのインデックスをはじめ調整は身についた。というか、ちゃんとセットすればインデックスが切り替えてくれる仕組みだしね。

フロントフォークの台座が取れちゃった(泣)

そして、バラバラに。
厳密には、ヘッドは外していないし、ディレイラーハンガーも付いてるし・・・。

ハンドル周り、ブレーキレバーとかグリップを外してないし、サドルもピラーから外してない。
しかし、クランクとチェンリングはこれ以上外せないし、3枚の歯はそれぞれ「カシメられて」いる。

FDは、いつからこんなにゴッツイフォルムになったんだとびっくり。
RDは、だいたい想像の範疇というかそこまで変わってない。

総じて、エレガントさが何処にも見当たらないな〜。
そもそも、自転車はエレガントじゃなくてもいいのか・・・な。

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休暇という名前の赤い自転車” に対して12件のコメントがあります。

  1. 六浦っ子 より:

    このぢ転車のレポート!楽しみにしていました。新車だったんですね。ワイヤーのほつれやら、カンティ台座の破損やらと苦戦のご様子!台座の破損は、お客さんから預かった車両ぢゃなくてよかったですね。このクラスのクロスバイクはバラスと、その重さを実感します。クランク&トリプルリング!全て一体化して重量級!ちょっとした武器になりますね。ただ、軽薄な赤色のフレームは萌えます。7段フリーも、必要にして充分かと思います。コンセプトは良いのですが、惜しい一台ですね。

    1. taboom より:

      六浦っ子さん おはようございます。

      半額近くに値下がりしたので店頭に出す前に唾つけました(笑)
      台座が抜けちゃったのは意外でびっくりしましたが、台座自体がねじ込み式だから抜けるのはある程度想定の範囲なのかな・・・と思ってます。が、現場でいきなり抜けたらどうしよ〜って焦ったでしょうね。
      この自転車は軽量であることを売りにしてる部分がありますが、クランク周りが地獄のように重いです。これならご指摘の通りクマが出た時に応戦できるかも。外すのに時間かかりますけどね(笑)

  2. 乾し肉 より:

    ご自身の勉強のために教材たる自転車を買うという姿勢、読んでいるこちらの背筋が伸びる思いです。
    ディレイラーハンガーがネジ止めされている自転車は多くありますが、ブレーキ台座もネジ止めなんですねえ。勉強になります。
    taboomさんはディスクブレーキ車はお持ちでしたっけ? 近頃は一般向けの安価な自転車でもディスクブレーキ車が多くなっているから、これも買って研究せねば(煽ってどうする)

    1. taboom より:

      乾し肉さん おはようございます。

      何台もある自転車でも、古い機構のモノばっかだったので使えね〜というのが実情です。何のためにストックしてきたんだと思いますね。って違うか(笑)
      教材といえば聞こえは良いですが、今回都合の良い(=安い)ものが見つかりました。
      ブレーキ台座がねじ止めというのは、以前のジャンキーな自転車で体験したと書きましたが、あの時はねじ切ったかとマジで焦りました。ブレーキにくっついてきちゃうので、その状態で外すことはできないから、再び台座に戻してやり直しするしかないのですが、ロックタイトの実力を改めて確認できました。
      ディスクブレーキ(メカニカル)の自転車がこの前、入荷してきたんですけど、これちゃんと整備しろと言われても困るなぁと思って、それも考えましたが、よーく考えたら、ガレージにディスクブレーキのMTBがあったことを思い出しました(笑)

  3. すず より:

    その探究心が素敵です。
    この自転車、その気になればキロ単位で軽量化できて達成感ありますよ、、、と試しに囁いてみます(笑)

    1. taboom より:

      すずさん おはようございます。

      探究心・・・って良い言葉ですね。そう言われるとちょっと嬉しいですが、こんなことも出来ないの?と言われると恥ずかしいので必死です。そこまでじゃないか(笑)
      ご指摘のように、キロ単位で落とす事は案外簡単ですね。一通りマスターしたら、やってみようかなと煽られてみますが、バックオーダー(笑)が色々と溜まっているので後回しです。

  4. INTER8 より:

    おはようございます。
    ささくれワイヤーの攻撃は僕も何度かやられたことがあります。小さな傷なのに何でこんなに痛いんだって思いますよね。
    まじまじと眺めましたが、エレガントな部分を見つけることができませんでした。しいて言うならRディレイラーのワイヤの長さが適切で綺麗な円を描いているところです。
    メーカーのホームページを見た感じでは自転車に対して真摯に向き合っているようですね。製品開発の視点、業界へのアプローチや会社行事、被災地支援も行っていて好感がもてます。今後は是非とも「エレガントさ」を取り入れてもらいたいです。

    1. taboom より:

      INTER8さん おはようございます。

      ささくれワイヤーは泣けますね。
      皮膚には痛点という小区域があってそこを刺激すると痛さを感じると聞きますが、どうしてあのささくれはその痛点ばっかを狙って刺さるのかが知りたいです。今回は刺さったけど痛くないやって事ないですよね。まったくもうって感じです。

      エレガントさというのは、また人それぞれでもありますが、今回のブツに私もそれを感じられませんでした。合理的が悪いわけじゃ無くて、合理的を追求すれば今度は機能美という別の見え方がしてくるというものだと思ってます。値段という制限はもちろんある訳で、それを考えたら良くやってる方かもしれません。このブランドを持つメーカーは、傘下に「ホイのホイのホイ」も持っており、単なる新興メーカーという訳では無いようです。

  5. east_bred より:

    ワイヤーを挿す・・・ワイヤー弄る度ごとにやって居るカモ(ToT)/~~~

    何故って貧乏ったらしくワイヤーの新品なんて滅多に使いませんで、古いのをなるべく切らない様に使いまわして居るから尚更そのチャンス?が多いんです(~_~;)。

    で、挿した瞬間目一杯痛がったら、次は血が出るかをシッカリ試して、出て来たら良~く絞り出して(ばい菌も一緒に出ると信じているので)、血をそこいらのボロ布で拭いた後で、毎回口に含んで血を吸って・・・って。
    油まみれのワイヤーの味がして、超汚ったないのにさぁ(-_-;)。

    でも、其の後に消毒とかした事は殆どなく、若い頃はそれで済んで居たのに、爺になって来たら後々膿が溜ったりすることも増えてきた様な(ToT)/~~~。

    1. taboom より:

      east_bredさん おはようございます。

      ワイヤーの再利用は必然ですよね。勿体無いから私もできるだけ使いまわします。というかしたいと考えてます。
      持ち込まれる自転車、後輪のタイヤ交換をする場合、軸ブレーキの関係でワイヤーを抜かなきゃならないのですが、その時に既にバラけている場合が多々あります。抜くには抜けるけどまたこれ入れないといけないかと考えると気持ちが暗くなりますね〜。アタックされる可能性も高いし(泣) 修理受付時にそれに気づけば、ワイヤーもダメですねって交換を促す事ができるのですが、気づくのは大抵タイヤ外す時なんです。バカですね。

      自分んちの時は、末端の部分であれば、瞬間接着剤や木工ボンドで固定してからやるんですけど、今回は末端じゃなくてワイヤーの途中ですからね。痛いし、ムカつくしでやりきれない気分です。刺さった部分のばい菌も考えなきゃいけませんね。血を吸いだすというのは大事だなと思いました。今度はやってみます。

  6. TAKOぼん より:

    こんにちは
    探求心におもわず・・・ 片膝着き 敬意を!
    そうなんですよね~ 古いやつは バッチリ 何とかいじれるのですが
    新しいやつ さっぱりわからないので・・・わたしも 一台手に入れて 弄んだろうかと おもったりもするのです。 でも もう 自転車置く場所がないので 諦めます。
    何台か 引き取ってもらってから なら 可能かな~ 
    工具も 全然違うし 一通りそろえないとだめですね。

    ワイヤーのほつれで一刺し 指先って特に痛いですね! 爪の間に入ったらもっと痛かったです。 テレビや映画で見る 拷問って もっと痛いんでしょうね! 経験したくないけれど

    以前 電動工具で 指先を巻き込んでしまい 指先が少しえぐれています 
    この時は 痛すぎて逆に痺れてしまい  外科医にペンチ爪をほじくり返す時まで 激痛がありませんでした! 
    これは 教訓ですね~ こんどから ワイヤーのほつれで一刺しあったら ハンマーで指を叩けばいい!(嘘です)
    ワイヤーをハンダ付け 一度やってみましたが メンドクサイ上に ワイヤー抜けなくなるので もう二度としません。キャップは認めん とか 言ってるおっさんもいるらしいですが・・・

    1. taboom より:

      TAKOぼんさん こんにちは。

      世の中は大型連休ですが、今は全く関係無いのです。
      サラリーマン時代だったら10連休とか取っていたんですけど。

      さて、新しい機構といっても一旦知ってしまえば、そんなもんかとなりますが、知ってるのと知らないのでは大違いですからね。
      そしてそれは毎日の仕事に直結してきますから、恥ずかしいとか以前に、きけんが危ない(笑)
      一通りバラしてみて、大体そんなもんかと思いましたが、厄介なのがディープリム。ホイール組むときに、ニップル刺すのがちょっとめんどくさかった(笑)

      ワイヤーのハンダ付け、まあ色々な形がありますが、コテを出してきて温めなきゃというのが面倒ですね。最近は、速乾の木工ボンドの口に直接ワイヤー突っ込んで、バラケ留めにしてます。最後はキャップつけますけどね。ところで、ワイヤのほつれは注意していてもなんども同じ目にあってます。何でだろうと思いますが、ちょっとした油断ですね。
      「痛さには さらに上行く 痛さかな」
      極意をいただきました〜(笑)

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